信州カツオ調査隊活動報告2日目
鰹節かつおぶしづくりを学ぼう!

2日目は静岡県焼津市で活動。
焼津港は日本を代表する漁港で、
特に「遠洋漁業」
(遠くの海で魚をとる漁業)が盛んです。

体育館のようなカツオの巨大冷蔵庫に潜入!

隊員たちが最初に訪れたのは、その港にある体育館のような建物。焼津鰹節水産加工業協同組合の冷蔵庫です。内部はなんとマイナス30℃。高く積まれたコンテナにカチンコチンに凍(こお)った大量のカツオが保管されていました。ここから組合に入っている鰹節の業者などにカツオが送られています。

焼津港をはじめとする遠洋漁業の基地がある静岡県。とれるカツオの量(漁獲量)は全国ナンバーワン。実に3分の1(約30パーセント)を占めていて、多くは南太平洋などの遠洋でとれた冷凍(れいとう)カツオです。
冷凍カツオは鰹節だけでなく、缶詰やカツオエキス(調味料)など、様々なものに加工され、食卓にのぼっています。

いよいよ鰹節工場へ!

続いて向かったのは水産加工の工場が集まる団地の中にある「トマル水産」の工場。講師は社長の大石智之さんです。工場に一歩足を踏み入れると、鰹節の香りがただよっていて、隊員たちからは「いい匂(にお)い」との声が上がりました。

まず大石さんは「鰹節は2つ種類があります」と説明してくれました。カツオの身をいぶして乾燥させたものが「荒節(あらぶし)」。強い香りと味が楽しめます。
そこから、さらにカビ付けをしたものが「枯節(かれぶし)」。「荒節」より上品でマイルドな味わいです。「枯節」の中で、カビ付けと天日干(てんぴぼ)しを何回か繰り返して熟成させたものは「本枯節」と呼ばれます。完成までに半年近くかかるそうです。

さらに1尾のカツオから4本の節ができ、背中側の2本を「雄節(おぶし)」、お腹側の2本を「雌節(めぶし)」と呼ぶことも教えてくれました。「雄節」は脂肪が少なくスッキリした味わい、「雌節」はコクがあり、一流の料亭などは上手に使い分けているそうです。

手間のかかる工程

実際に作業工程を見せてもらいました。工程は主に8つあります。
まず「生切り」。カツオの頭を切り落とし、内臓を取り除き、3枚におろします。
そのあとは、身をかごに載せる「籠立(かごだ)て」、かごのまま身を釜(かま)で煮(に)る「煮熟(しゃじゅく)」、ていねいに骨を取り除く「骨抜き」、すり身を塗って形を整える「修繕(しゅうぜん)」と続きます。

次の工程は「焙乾(ばいかん)」。薪を燃やしていぶし、香りをつけながら乾燥させます。荒節はこれで完成。
枯節は、このあと「削り作業」があり、カビの力で水分を抜いてうま味を凝縮(ぎょうしゅく)させる「カビ付け」と天日干しを繰り返し、ようやく完成です。

信州の薪が役立っている!

隊員たちが注目したのは「焙乾(ばいかん)」の作業。設備の扉を開けると、煙が立ち上りました。カツオの身をいぶすのに使われていたのは長野県産のコナラの薪です。

大石さんは「寒い信州で育ったコナラは堅(かた)く、長く燃えて、香りも良い。だから焼津の鰹節に長野県の薪が欠かせないんです」と説明してくれました。

信州の薪が遠く離れた焼津に…。隊員からは「長野の薪が役立っていてうれしい」「こんなに手間がかかっているなんて知らなかった」などの感想が聞かれました。
見学の最後、隊員たちは「これからもおいしい鰹節を作ってください」と、伊那市から持ってきた薪を大石さんたちにプレゼント。森の恵みを「リレー」するミッションを果たしました。

削り節も体験

工場見学のあと、水産加工センターに移動し、組合の皆さんの指導の下、専用の削(けず)り器で「削り節」を体験しました。家庭で行うことがほとんど無くなってしまった鰹節削り。もちろん、隊員のみんなも初挑戦。刃の当て方によって、厚さが変わります。うまく削れず、苦戦する隊員も。

出汁(だし)も用意してもらいました。鰹節だけの出汁としょう油を少し入れたものの2種類。
鰹節だけでも十分おいしいのですが、しょう油を入れることによって、より深い味わいに。鰹節のイノシン酸としょう油のグルタミン酸。二つのうま味が加わった効果です。だから、和食(日本食)はおいしいんですね。

カツオの藁(わら)焼きにも挑戦!

最後に訪れたのは、カツオの「なまり節」などをつくる「川直(かわなお)」。藁焼き体験も受け入れています。
手際よくカツオをさばいてくれたのは6代目の山口高宏さんです。

さばいた身を網にのせ、藁で焼きました。一気に炎が上がり、思わずのけぞる隊員たち。表面を強火であぶっていきます。

顔にほてりを感じながら、しばらく焼くと…。外はこんがり、中は「レア(生)」の状態に。「くん製」のように、藁の焼いた香りがします。
おすすめの『岩塩」を付けて食べてみます。
すると、「おいしい!」「モチモチしている!」などの声が上がりました。

2日目のポイント

  • 手間がかかる鰹節づくり
  • 焼津の鰹節づくりを支える信州の薪

森の恵み(薪)が海の恵み(鰹節)に役だっていることを
動画で確認してみよう!

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