最終日の3日目は
静岡県御前崎市の御前崎港へ。
生のカツオの水揚(みずあ)げが
静岡県で一番多い港です。
まず南駿河湾(みなみするがわん)漁業協同組合・御前崎本所で、講義を受けました。講師は漁協の池田晃雄さんです。御前崎港は、カツオの「漁場」が近く、一本釣り漁が盛ん。実際に一本釣りをしているビデオを鑑賞しながら、御前崎港は生カツオの漁獲が静岡県内の7割を占めていることなどを教わりました。


そのあと、隊員たちに渡されたのは一本釣りで使われるニセのえさ「バケ」です。鳥の羽やビニールひもが巻かれていて、鋭い針がついています。エサの小魚とまちがえて、食いつくそうです。
一本釣り用の竿も持たせてもらいました。隊員たちが力いっぱい、しならせても、この通り。重いカツオを釣り上げるため、軽くて丈夫なカーボンで作られています。



一方、池田さんからは漁業が抱える問題・課題の説明もありました。
まず「黒潮(くろしお)の大蛇行(だいだこう)」。気候変動の影響で、黒潮の流れが変化し、漁場が変わったり、遠くなってしまったりして、漁獲量が不安定になってしまうということです。
さらに海水温の上昇で「磯(いそ)焼け」が発生し、藻場(もば)と呼ばれる魚の生息場所が減少。漁師さんたちが海藻の復活に地道に取り組んでいると説明してくれました。


他にも後継者不足、日本人の魚ばなれ(魚をあまり食べなくなっている)などの課題もあります。


残念ながら、この日は天候の影響で、カツオの水揚(みずあ)げはありませんでした。でも、しばらくすると、漁船が港に到着。次々と船から下ろされたのは、カツオと並ぶ港の名物、シラスでした。


大量の氷で冷やされて運ばれてきたシラス。主にカタクチイワシの稚魚のことで、生で食べられますが、釜揚げやしらす干しなどにも加工されます。隊員たちも興味津々の様子。



やがて、競(せ)りが始まり、見学することができました。独特のかけ声が飛び交う中、箱ごとに値段が決められていきます。落札されたシラスはすぐに車に運ばれていきました。新鮮さを保つため、競りはとてもスピーディーです。
こうやって値段が決められた魚は、店に並び、やがて食卓へ…。「流通」のしくみを知ることができました。


御前崎港での見学を終えた隊員たちは、締(し)めくくりの総合学習発表会に臨みました。
今回の体験学習で心に残ったことなどを班ごとに発表し合い、そのあと、豊かな海を未来に残していくために、自分達ができることを作文にまとめ、発表しました。
「みんなに伝えたいメッセージは、海と山はつながっていることです。そして、それをいろいろな人たちに伝えることで、山、海、森を守れるようにしたいです」
「僕は森や海にゴミを捨てないで、未来においしいカツオやカツオ節を残していきたいです」

カツオをテーマに、信州の森と静岡の海のつながりを学んだ3日間。隊員たちは海の課題も知って、自ら行動し、それを広く伝えたいという思いが芽生えました。
信州の森と豊かな海を未来につなぐ…。隊員たちの取り組みは、これからが本番です。



動画でポイントをおさらいし、君も森と海の未来を考えてみよう!
